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リードナーチャリングとは何か(まとめ)

5末にインプレスWeb担フォーラムで講演させて頂いたが、最近はシナジーマーケティング(株)と(株)セールスフォースドットコムさんのセミナーでも講演することが多くなってきたため、今日はリードナーチャリングにおけるまとめブログを記載しておきたいと思う。(イントロダクションです)


▼BtoBマーケティングの変化について
営業力の強い会社、または業種において、Webマーケテイングとはつまりどういうことなのか、今までのやり方と何か違うのか、と聞かれることがある。
また、Webを活用している企業でリードジェネレーションは分かるが、リードナーチャリングとはつまり何か・・・ジェネレーションとナーチャリングの違いを質問されることが多くなった。
簡単に説明すると、今までの営業スタイルはPush型セールスで、客先に何度も足を運び、3回・4回と訪問しながら客の課題や悩み事、提案ポイントを見つけ、4回目くらいからやっと提案開始、または商談開始という流れになる。
BtoBマーケティングにおける営業スタイルは、Pull型セールスとも言われ、問合せする以前に顧客はネット内で情報を探すような行動に変化している。2回3回とサイトの情報を確認し、あるタイミングで問合せに至る。業種によっては先に資料をダウンロードしている場合もある。
このようなターゲットにしている企業や売りたいと思っている企業の行動を「個人」または「組織」単位で捉えておき、商談化に繋がりやすい顧客から対応することが可能となっている。
大きな違いは何かと言えば、営業工数の削減となる。Push型営業スタイルの場合、商談に繋がるまでの工数を算出すると、コストの高い営業の投資対効果は非常に悪い。
しかし、Pull型の場合はネット内の行動パターンから優先順位をつけて営業が回るため、商談に繋がる確率が格段と上がるということである。
問題は、商談に繋がるまでの間、誰がマーケティングを継続させるべきか・・・である。

▼リード数と案件化の関係

今まで企業の製品サイト、またはマイクロサイトと言われる販促マーケティングに繋げるサイトは、リードジェネレーションサイトと呼ばれていた。
つまり、引き合い(リード)をジェネレーション(生み出す、獲得する)ことを目的にしたサイトである。
コンバージョンとして設定されるのは「問合せ数」が最も多く、最近はフォームの種類がセミナー申込み、資料ダウンロードなど、個人情報を入力させるサイトが多くなってきたため、フォームを通過した数=リード数を、全てまとめてコンバージョンと設定し、
アクション率=フォーム通過数÷全来訪者数×100(%)
上記のようなアクション率で算出している企業も増えてきた。
2004年と2010年のサイトを比較した某企業のデータを見ると、以下のようになっている。






































2004年 2010年
1.ウェブ来訪者 5千人 5万人
アクション率 約0.2% 約0.8%
2.リード獲得数 約10件/月 約400件/月
案件化率 約20% 約10%
3.案件数 約2件/月 約40件/月
案件化までの平均期間 約2.5ヶ月 約6か月

6年間で、来訪者は10倍、リード獲得数は40倍、案件獲得数は20倍になっていることが分かる。
ただ、問題として案件化率が20%から10%に落ちており、案件化までの平均期間は6年間の傾向を見ると、徐々に長くなり、獲得したリードは商談に即繋がらなくなっていることが分かる。
2010年のリード獲得数400に対し、案件に繋がらなかった360件は、再度サイトに来訪し、回遊し様々な情報を閲覧している状況が分かる。

つまり、BtoBの場合は、リード獲得数をゴールにした所で受注に結び付かなければ何の意味もないということになる。
そもそもリード獲得数が少ない、顧客のアクション数が少ないという企業はリードジェネレーションサイトとして、改善が必要である。PDCAを回し改善を繰り返した企業が次に取り組むべき内容は、ナーチャリングである。
▼リードナーチャリングとは何か
『リードナーチャリング』は、紙の時代から存在したマーケティング手法である。
例えば、営業をしながら顧客の興味に合わせて、どのパンフレットや紙の資料を持参するべきか・・・当たり前のように実施してきたことである。
しかし、過去の手法は全て顧客の反応によって、オフライン(対面)で判断するしかなかった。マーケティング施策も、電話、FAX、リアルでのセミナー、DM、営業ツールとしての紙媒体が中心の時代である。
DMがメルマガになり、セミナーがウェビナーになり、資料がPDFダウンロードになった現在、顧客のネット内の行動データから興味度合を判断し、顧客とどのような関係を繋ぐべきか・・・
特にダイレクトマーケティングを実施してきた方々にとって、リードナーチャリングという言葉は目新しい内容ではないように思われることが多い。しかし彼等の観察データの中には、ネット内の顧客行動は含まれてないことが多く、全て人が見込み度合を判断していた点が異なる点である。
また、一部の業種ではBIツールを利用している場合もあるが、分析をしている時間はマーケティングロスとなる。顧客の見込み度合をタイムリーに判断し情報を提供するためには、分析をしている段階で既に遅いのである。(顧客は待ってくれないのと同じ)
リードナーチャリングを日本語に訳すと、啓蒙・育成・醸成・創出となる。ナーチャリングとは何か、以下に整理する。
-Marketo,Inc.
いつ買うのか、というタイミングに関係なく、見込み客が購入を決意するまでの間、
関係を構築するプロセスである。


-Nexal,Inc.補足-
すぐに商談や案件・受注に繋がらない場合、見込み客が購入(または検討)するまでの間、様々な情報を提供しコミュニケーションを継続することによって、自社製品・サービスの興味を高めていくマーケティング活動(過程)や取り組み(手順)のこと。
~水面下で顧客の状況を抑えておき、タイミングを見計らうという対面営業でのノウハウを応用した考え方~
なぜナーチャリングという考え方が必要となるのか・・・
-Marketo,Inc.
自社サイトに訪れる見込み客の95%は情報を探すために来ており、その70%が最終的に自社または競合企業から製品を購入している。
したがって、マーケティング担当者と営業担当者は、見込み客のあらゆる興味段階において、お互いに協力し合いながら、質の高い情報やコンテンツをタイムリーかつ状況に応じて提供しなければならない。

としている。
最近は、見える化やリードクオリフィケーション(顧客の絞込み・抽出)における相談毎がとても増えてきた。
また、BtoBに限らずBtoCやグローバル企業において見込み客との関係構築におけるナーチャリングを、どのようなプラットフォームで実施すべきか、悩んでいる企業も増えてきたと思う。
さらにソーシャルCRMやリードマネジメントツールなど、全てマーケティングオートメーションの一貫として、統合的に考えるケースも多くなってきている。
弊社には様々な相談毎が来ているが、国内企業においてはナーチャリングの話をきっかけに、リードジェネレーションやリード管理時点で躓いている企業が多いと見受けられる。また、組織的な壁も多く、協力を仰ぐにはトップダウンで進めるしかないと考える。
このタイミングで、マーケティングに風穴を通し、マーケ部門と営業部門で今一度タスクフォースやワーキンググループを立ち上げ、協議してみてはどうだろう。
必要であれば弊社も同席し支援することは可能なため、
1.見込客との関係構築プロセスをどうすべきか、
2.プラットフォームとしてどのような項目や指標を見える化すべきか、

悩んでいる企業があれば、是非相談して頂ければと思う。

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