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Nexalコラム

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製薬業界と医療従事者向けクローズドサイト

皆さんも医薬品業界の2010年問題や、オンラインでのドラッグ販売・ネット販売に関する薬事法の改正などは、ニュースなどで知っていると思う。
「2010年問題とは、医薬品業界において2010年前後に、大型医薬品の特許が一斉に切れ、各メーカーの収益に重大な影響をもたらすと懸念されている問題のこと。byWIKI」特許が切れると、ジェネリック医薬品となって販売され、消費者は安く薬を入手することができるが、ジェネリックを専門的に扱うメーカーなどが大量生産するため、同じ開発メーカーが販売するとは限らない。

また、オンラインでのドラッグ販売では、ネット販売による取り扱い医薬品も含め、薬事法が昨年改正された。楽天の三木谷社長がネット上で、署名運動をしていた記憶はまだ新しい。
今日は、製薬業界におけるWeb(ネット)役割の変化について記載したいと思う。今まで数件の製薬会社にも訪問させて頂いたが、話を伺うと最近の傾向として
・MRの貢献度が低くなってきた(過去のような、MRと医者の繋がりが薄れる)
・どこまでクローズドサイトに情報を掲載すべきか線引きが難しくなってきた
・研修医師(新任ドクター)は、ネットで薬の情報を探している傾向が高い
製薬業界の構造は、製薬メーカーと、それを販売する代理店に分かれる。

また、ターゲット(顧客)としては、患者(一般)と医師従事者に分けてWebのコンテンツを分けている。
特に医療従事者に対しては、新薬や副作用情報などを掲載しているため、どの製薬メーカーも、医療従事者向けの情報サイトを用意している。

これらはクローズドサイト、いわゆる会員性のサイトになっているが、どの製薬メーカーもこのサイトの位置付け、今後の戦略ついて悩みが多い。
また、医師向け(医療従事者)の専門サイトとしては以下の3つが主要なサイトである。
・ソニーグループm3が運営するサイト
・日経メディカルオンラインのサイト
・ケアネットのサイト
上記サイトに広告を出稿し、自社の製薬サイトに医療従事者を集めるという集客方法も取られている。

先程、MRと医者の関係が薄れてきていると記載したが、製薬メーカーで薬を売る営業はMRの仕事ではない。MRの役目はあくまで医薬情報担当者。
MR=Medical Presentative、つまり伝道師(エバンジェリスト)的な役割になる。
誰が売るのかと言えば、そのメーカーの販売代理店から、薬事会で承認した病院は薬を買う。1個2個買うわけではない。一回取引が始まれば、その取引金額は数百~数千万にも上る。
しかし以前の伝道師スタイルでは、最近医者が薬を選択しなくなってきている。

IT業界で言えば、営業から情報を聞き製品選定を行うのではなく、事前にネットから情報を探すようになりつつある。時代は変わってきている。
モバイルへの取組みはどうか確認すると、病院では電波機器が使えないことから尻込みしているメーカーも多い。
しかし、24時間365日、病院に缶詰になっている医者はほんのわずか。思うに、スマートフォンを利用して、例えばiPhoneによる新薬紹介アプリを作りダウンロードしてもらう。(以前のネットカタログのようなイメージ)。
また、動画による説明コンテンツなど、MRの代わりになるコンテンツをネットで展開する手法はいくらでも考えられる。(特に若手医師向け)
年配の医師向けは、まだ以前のMRスタイルが良い。院長クラスでネットから情報収集している割合がどのくらいか、にもよるが、学会情報などは冊子より自宅でインターネットから見ている可能性も高いと考える。
また、これらのクローズドサイトを利用し集めた顕在リードを育成・醸成するリードナーチャリングの概念が、製薬業界にも取り入れられ始めている。

医療現場も、若手が増えることによって情報収集形態も変わりつつあることから、実験的に試行錯誤してみるのも手かと考える。

※学会は特に10月に集中するため、席をはずす医者が多くなる。以前、USに出張した際(10月)、右も左も医者でいろいろな裏話を聞いて10時間のフライトを楽しく過ごした記憶が残っている。
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