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Nexalコラム

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老舗旅館の復活に向けたマーケティング実態

一昨日、長野県にある某老舗旅館を訪問した。その際、経営者にじっくり話を聞くことができ、マーケティング現場・実態として是非ブログに記載したいと思う。

本当は旅館名も記載したいが、細かな数字を記載するため念のため控えておきます。【許可を頂ければ、いつか掲載するかもしれませんが】
※また、飲みながらお話を伺ったため、数字は記憶しただけです。実態と若干異なる点はご了承ください。


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長野県にあるこの旅館は、大正創業、約90年近く続く老舗旅館。山と緑に囲まれ、何層にも重なる岩盤地層を観ることができる。豊富な水が湧き出ており、沢のせせらぎと豪快な滝の音以外、何とも言えない静寂感が漂う。

様々な老舗旅館に泊まったことのある私の感想は、「心休まる場所」

辺り一帯マイナスイオンが充満しており、日頃の疲れを忘れられるような所だった。特に部屋から見える山は、日本人なら「神」がいると崇めたくなるような佇まいに見えた。(※勝手なイメージですが、映画「もののけ姫」に出てくる「シシ神」が舞い降りてきそうな感じ。)


この旅館の基本的な顧客数を記載する。
・客室:約100室(新館+旧館)5階建て。
・1日の宿泊客数:約300人/日
・月の宿泊客数:約9000人/月
・年間の宿泊客数:約10万人/年
・年間稼働率:約7~8割(311の震災前)

露天風呂(野天)も計3か所、土産店、ラーメン店、リラクゼーション室(アロマ・マッサージ)、卓球部屋もあり施設は充実している。

悲劇は311の震災後からだ。予約キャンセルが続き、その数は2万5000人。3ヵ月先までの宿泊予定客を一気に失った計算となる。震災直後は使わないフロアを閉鎖し経費を使わず相違工夫をしていたが、資金繰りが困難となり負債総額数十億以上抱え、現在民事再生中である。

しかし、復活劇はここから始まる。老舗旅館だけあって、ブランド力は高い。ただ、70代以上の年寄だけがリピータではこの先続かない。どのように新規顧客にリーチし、満足してもらい、リピートに繋げていくのか。単なる点ではなく線や面として捉え、様々な仕掛けや取組を行ったとのこと。

まず経営者が取った行動は
・原発問題によって都内の人が水の購買に躍起になっている。しかし都心の人が買うのは富士山の水が中心。ここ長野の水も、地層深くからの湧き水のため安心であることをアピールした。
・旅館敷地内の湧き水を無料で提供した所、都内からの客が殺到した。
・グルーポンに3食付宿泊6,666円で泊まれるチケットを販売。約3000枚以上を完売した。(ポンパレでも2000枚以上販売)※2011年6月頃
・「黄金の湯」を仕掛け、実際に宿泊した客2名から、本当に宝くじが当たったという実績を広めた。
・県民ショーなどにも取り上げられるなど、メディアも認める「パワースポット」として口コミを利用した。

他にも様々な取組を行ったが、全て点としての接触ではなく、線や面として考えていたことに感銘を受けた。

本来は、地域活性化の面として捉え、もっとやり方や方法があるのではないか?と考えているとのことだが、これから何を仕掛けていくのか楽しみである。
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他にも、様々なことをお話させて頂いた。苦労話や笑い話などもあるが、全てブログには書けない。ただ、1点だけ。。。ソーシャルをやれだの、twitterでつぶやけだの、外野は適当なことや場当たり的なことを言うが、24時間365日必死に働いている人が、そんな余裕があるわけが無い。人や金などのリソースが限られている中で、できることには限界がある。
・『仕掛け』をどのように作るのか
・どのように人は感銘や共感を覚えるのか
・旅館に泊まりたくなる瞬間はどのようなシーンやタイミングか
を日々真剣に考えていること。本当の復活劇はこれからである。

外野が、「あるべき論」を「絵に描いた餅」のように語るのは簡単だ。チケットを格安で売るのも簡単だ。しかしそれは点でしかない。どのような客に来てもらい、さらにはリピートになってもらうのか、満足した体験をどのように広めるのか、現場や実態を知る程そのギャップは大きい。言うだけの人ほど、無責任感が漂う。

弊社がコンサルを行う際にも、徹底して現場主義・顧客目線を貫いているが、OtoOの戦略策定から施策立案の相談が多くなってきている現在、今回伺ったお話(生の声)は本当に心から感謝している。

ファシリテータ型のコンサルとして、初心に返る機会を頂いたと思っている。


あとがき・・・・ちなみに全員で宝くじを買って帰りました。家に帰ったらコンビニのキャンペーンに当たってました。「黄金の湯」のご利益かは分かりませんが・・?


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