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ブランドの体幹を鍛える『インナーブランディング』のエッセンス

これまでに、何度かエントリしたインナーブランディング周りの事についてのまとめとして、インナーブランディングのエッセンスを纏めてみたいと思います。

※インナーブランディングの考え方については、以前エントリした記事『従業員満足(ES)から考える顧客満足(CS)』や『顧客満足の背景』や『「ホスピタリティ」と「サービス」の違いと人材の関係』をご覧ください。

 

ブランドの社内浸透の重要性



「ブランドの社内浸透」という語感は「社員を教育する」というイメージになると思いますが、それは正しいのですが押しつける為の教育ではなく、あくまでも「会社を構成する人としての働きがいと責任」を実感して貰う為に必要であり、社員の人生の大きな割合を占める仕事を豊かにする為にあると思います。

そういった考え方をベースにした上で、以下の基礎と循環を作り出す事が重要です。

1. ブランドビジョン(責任)
社内にワーキンググループを作り、ブランドの定義と方向性を定めます。
これにより、顧客や株主や社会への約束『ブランド・プロミス』と社員に対しては『使命』を明確にする事ができます。

2. 従業員への浸透と実践(実行)
『ブランド・プロミス』に基づいた活動の実践を有言実行できる『使命感』を社内で醸成させます。

3. 顧客、株主、社会からの評価獲得(承認)
企業の活動(従業員の活動)によって提供されたサービスとブランドへの支持を得ます。

「1」が基礎となり「2」と「3」が循環していく。
こういった流れや循環を生み出す事が「支持され続ける企業」へと繋がります。

 

どの様に従業員に浸透させるのか



これが非常に難しいので、結局は取り組みとしての成果が得づらく、とん挫してしまうポイントなのですが、まずはツールとしてどういった内容があるのかと言うと・・・


【ツール系】
・ブランドブック

ブランドステイトメント、ブランド価値構造、行動規範などが示されたもの。

・ブランドイントラネット
ブランドに関わる情報を迅速に共有する為のもの。戦略や方針の早期浸透に活用。

・社内プロモーション
ポスターや機関誌、社員だけが使用できるノベルティ等も有効。

【イベント系】
・イベント

ブランドビジョンの見直しや方針発表など、節目となる時に「節目である認識」を体感的に自覚してもらうために重要。

・タウンミーティング
経営層も若手も関係なく、一緒になってブランドのことについて議論をする。内容はイントラネット等を活用して全社員へ共有する。

・セミナー
行動規範など、意識が薄まりやすい点を中心に構成する。

【制度開発】
・ブランド報奨制度

ブランドに貢献した社員や部門を表彰する。

・社内論文・提案の募集
ブランドに関わる提案(ブランドの方向性やアイデアなど)を促す。
ブランド報奨制度と併用する。


これらがインナーブランディング施策として一般的な内容ですが、その他に「ブランド絵本」を作る事も効果的です。
「ブランドが提供するサービスを通して、顧客や社会がどの様に豊かになるのか。」
この内容を絵本にする事によって、ブランドが提供するサービスのイメージがつきやすく、特に採用活動において活用する事によって、より貢献度の高い人材と巡り合いやすくなります。
特に、アルバイトで9割が構成されるような業種におけるインナーブランディングに有効であると考えます。


 

社内のブランド浸透への取り組みステップ



以下が社内にブランドを浸透させるための取り組みステップです。


1. 奨励
 ・ブランド推進体制の構築と計画の策定⇒社内意識の醸成

2. 教育
 ・ミッションステイトメントの設定⇒戦略の浸透

3. 実践
 ・サービス毎(部門毎)の目標設定⇒社内外への広報による活動のサポート

4. 評価
 ・活動の効果測定と評価⇒貢献した社員や部門への報奨と表彰


このサイクルのうち、評価を半年や一年のタイミングで行うのではなく、もっと早いサイクルで評価できる項目も設ける事で、従業員の勤労に対する満足度は高くなると思います。


 

まとめ



勤労の価値をどこに感じるのか。これには個人差がありますし、ブランドにとって貢献できる人材というのも、ブランドによってはほんの一握りかもしれません。そういった人材を獲得していく為にも、従業員自らが自社を推奨し、その周りの人が「入りたい」と思える企業なのかが重要です。

これから巡り合う人材は、競合他社の情報も収集しているでしょうし、自社従業員の推奨状況も見ており、従業員が推奨しない企業には当然のごとくネガティブなイメージで見ます。そして、世の中に対しブランディングしていく基礎が従業員であるのなら、人事にこそブランドへの理解が必要であり、その理解が十分でなく、ブランド貢献度も低い担当者が採用権を持っては企業にとっては不幸なことではないでしょうか。

そして、インナーブランディングはコンプライアンス教育にとっても重要です。ブランドへの貢献意識が強ければ、規範意識も自然と高まります。そのためにも、従業員が「誰のため」「何のため」に勤労するのかを明確にする事が重要になり、従業員にとっての働きがいに繋がります。それには『ブランドビジョン』に基づいた『ブランド・プロミス』と『使命』を明確にする必要があります。




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